大腿骨壊死でも快適な歩行獲得へ

長年膝の痛みにお悩みの60代女性。

レントゲン上は痛みのある側の
大腿骨外側顆〜外側上顆部分に
軟骨下骨折を認める状況。

特発性骨壊死(spontaneous osteonecrosis:SON)ってやつですね。

医師からは下記のように宣告済み。

人工膝関節(TKA)の手術ですね

それを受けて御本人も

手術しないとしょうがないわね・・・

とショックを受けながらも
納得されている状況。
他にも疾患があるようで
痛み止め以外の服薬も結構ある状況。

経過がかなり長かったため時間はかかりましたが、
現在は痛みもなくなり、
杖なしで出かけ下記のように発言が変わってきました。

歩くのが楽しくてしょうがないわ

1万歩ほど歩く日もあるとのことΣ(゚Д゚)
服薬の数も量も減ってきており、
このまま順調に経過していってほしいと思っています。

今回ポイントになった考えをまとめてみました。

1.痛みについての考察

痛みについて聞くと、
痛みの箇所が膝関節周囲で日によって変わるとのこと。

膝の前が痛い時もあれば、裏側が痛い時もあるし、
内側が痛い時もあれば、外側が痛いときもある。

もし軟骨下骨折による痛みであれば、
同じ場所が痛むはず。
しかしこの方はそうではない。
炎症所見は軽度認められるため炎症症状があるのは事実でしょうが、
力学的負担によるMPS(筋筋膜性疼痛症候群)か、
脳の機能低下(痛みの閾値低下による過敏状態)のどちらかでしょう。

経過が長いことも含めて考えると、
MPSと脳の機能低下が起きている状態にあるのでしょう。

脊椎の圧迫骨折でも、コルセットを装着し、
骨癒合が進めば痛みなく動ける方は多くいらっしゃるので、
軟骨下骨折をいつまでも続く痛みの原因にするのは理屈に合わないと考えます。

2.痛みへのアプローチ

痛みを訴えられる場所に捕らわれていると、
毎回場所が変わるので、都度細かい解剖学的考察は不要だと判断します。

課題は単純に以下の2つ。
①力学的負担を取り除くこと
②脳の機能を改善させること

2−1力学的負担の軽減

下肢筋群が緊張してMPSが生じている状態。
ならば下肢筋群を施術して柔らかくする・・・・。
という考え方もありでしょう。

そうではなく、
そもそもなぜ下肢筋群に負担をかけないといけないのか?
を考えてくると違うアプローチもあるかと思います。

僕は基本的に後者の考え方を取ることが多いので、
頭頸部・体幹部に触れて、下肢が緩むポイントを探します。
そこを施術して、エクササイズをする。
または下肢の中でも使えていないところをエクササイズする。

そうすると下肢の筋緊張は勝手に緩和してきます。
下肢の筋緊張が緩和すれば血流も担保されるため
MPSは生じにくい状態になっていきますね。

2−2脳の機能の改善

厄介そうなのはこちらです。
どうすれば脳の機能が不安定であると言えるのか?
どのような刺激を与えられれば脳が安定化するのか?
というのが長年なかなかわかりませんでした。

これまで、様々な施術方法や、身体の使い方を学んできた結果、
施術で脳波を安定させることはできるようになってきました。

でも、それでは感覚的すぎるし、効果もイマイチでした。
実際に脳機能がそれで本当に安定化するのか?
その手応えが中々得ることができずにいたのです。

最近は自分なりの指標を得ることを覚え、
施術に応用することで、
脳の機能にアプローチができるようになってきました。

特に多い脳のエラーが、
筋骨格系の硬さ、
小脳による素早い反復運動の左右差、
脳神経の左右差、
前庭機能の低下などを把握することをよく行っています。

これらに以上があると脳の機能低下が不安定になっていると判断しています。

その上で、脳が安定するための刺激方法というのは、
特別なものではありません。
硬い所を確実に捉えて柔らかくする。
それだけです。

その後脳のエラーをチェックして解消できれいれば問題なし。

この症例さんにもこの流れを続けることで、
軟骨下骨折部分がよくなる。ということはありませんが、
先程のように

歩くのが楽しくてしょうがないわ

と喜んでくれています。
他科の医師も患者さんの変化をみて驚いてくれています。
減薬までしてくれてありがたい!!

もっと速く、効果的にリハビリ効果を出せるよう精進して
たくさんの方に喜んでもらえるチームを作りたいと考えています。

ご覧頂きありがとうございました!

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アバター

医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。