「なんかフワフワする」へのアプローチ

運動器疾患でADLは自立レベルでも、
「フワフワする、疲れやすい」
という不安を訴える方は割といらっしゃると思います。
そんな患者さんへのアプローチの参考になればと
思い書いてみました。

腰部脊柱管狭窄症と診断された
もうすぐ90歳になる女性。

主訴は右下肢の疼痛・痺れの訴え。

一人暮らしをされてますが、
下肢の痛みを訴えるせいで近所に住む家族からは
「無理せず大人しくしておいて!」
と言われてしまい
痛みと行動制限のダブルパンチでスッカリ意気消沈気味。

セラピストとの会話は
ネガティブな発言と、
時にそれを反省する発言
この2パターンが続く感じ…。

本人だけでなく、
このネガティブエネルギーを受ける
家族もシンドいことでしょう。

1.肉体的ストレス

症状としては右下肢の痺れ痛みがある状況。
ほぼデルマトームに沿った形で症状があるため
椎間関節周囲から遠位の問題と思われます。

実際に反り腰が強い姿勢をされていたので、
椎間関節はかなりストレスがかかっている様子です。

大まかなアプローチとしては
腰椎の伸展、回旋を助長している要因を潰していけばいい。

その要因は
この方の場合足部の機能低下であると考えました。
足関節の背屈制限が強く、
足底筋膜はガッチガチでした。
足部の機能低下を腰椎を伸展させることで代償している様子。

アプローチは
足部や下腿のストレッチなどで、
ほどなく姿勢と症状は改善してきましたが、
冒頭のように
「なんかフワフワする、疲れやすい」という訴えは変わらず続きました。

2.精神的ストレス

肉体的ストレスは減ったけど、
不調が継続しているということは、
まだなにかしらのストレッサーが存在しているということ。

肉体的には極端に負担がかかっている様子はない。
なので
ネガティブ発言満載な精神面にフォーカスしてみました。

若い頃は飛び回って仕事をしており
「元気な人」という立ち位置だったそう。
現状は昔とは真逆の状態であり、
さらに、

  • ご主人を亡くされ、
  • 一人で生活し、
  • 家族やケアマネ、セラピストに面倒をかけて、
  • 痛みと痺れに悩まされ、
  • 診断名までついて、
  • 家族からは動かない様に制限される

などネガティブな要因は盛り沢山。
この状況では「前向きになろう!」
となれないのは無理も無いことですね。

私自身精神的なストレスが溜まると
如実に肌が荒れてくる傾向があります。

身体と精神は当たり前ですけど繋がってるんですよね。
まぁ目に見えるものではないので確実に断定はできません。
あくまで要因の一つですね…。

3.アプローチ

アプローチとして
私の場合はストレッサーを自覚して対処すればいいのですが、

この方の場合はなかなか難しいです。
多くの患者さんはツライ状況にあるので、
正論ぶつけても「わかるけど…」状態になるだけです。
正論だけでよくなるなら苦労はしません。

僕らセラピストにできるのは、
ど正論を振りかざすことではなく、
心身を整えて問題に対して
解決か耐えられるコンディションを作ること
だと考えています。

そのために
話を傾聴しつ安心感を持ってもらいながら、
(ただ聞くではないのが大切!!)
現実問題抱えている症状をとっていくことが大切です。

フワフワする原因を評価すると、
前庭機能と左小脳に機能低下を認めました。
頭位変換に対する反応をみたり、
四肢の素早い反復運動をするテストですね。

施術としては
側頭部と後頭部に触れてストレスを取ることで、
フワフワ感はその場で消失。

足に力が入るようになった♫

何回かこのような施術を行う中で、
少しずつ前向きな発言も増えてきています。

ネガティブな状況にあっても、
・安心できる相手や環境がある。
・良い変化が感じられる。
・今後に期待が持てる。
という実感があるというのはとても重要です。

とはいえ、
ネガティブな環境にあること自体は変わらないので、
その環境に慣れてもらうまでは継続的なフォローが必要でしょうね。

ポジティブ思考も大切ですが、
無理なポジティブ思考は何も生まないどころか、
自分を卑下するようなデメリットに働く事も多くあります。

心身のコンディションを整えていく事で、
自然と変われる様なアプローチが出来るのが理想だと考えています。
特に高齢の方は強い問題を抱えている方は、
継続的な関わりが必要だと感じます。

今回は
筋力や可動域だけでなく、
学校レベルで習った他の要素である
神経系の検査や、セラピストとしての態度も
ちゃんと役に立つんだと再確認できたケースでした。

MMTやROMでは原因がよく見えないとなったら、
他の評価や相手への向き合い方を再考してみては如何でしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました!

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ABOUTこの記事をかいた人

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医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。