足指の糖尿病性壊疽にできること

糖尿病があり足趾の痛みに悩んでいる方。
感染症や切断などにならないために、
糖尿病コントロールや、フットケアは大切。
それ以外に理学療法士にできることを書きました。
対応で悩んでいる方は読んでみて下さい!

1.糖尿病とは

インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。

糖尿病情報センター様より引用 m(_ _)m

要するに血管にダメージが貯まる病気であり、
特に細い血管から機能が低下するので、
末端や目や腎臓など細い血管が沢山ある部位から症状が出てくる
ということですね。
糖尿病は全身病と言われる所以です。

2.糖尿病性壊疽

上記で述べたように、細い血管からダメージがでてきます。
そうなると、
私なりにまとめると下記のような状態になります。

●血流障害・・・組織に必要な栄養がなくなり細胞が壊死する。
●神経障害・・・怪我などに気づかない。転倒しやすくなる。
●免疫機能障害・・・傷ができやすく、治りにくい。感染症を起こしやすくなる。

足趾の血流が悪くなり痛みを訴える方は割と多いかと思います。

3.基本のアプローチ

対処療法としてはフットケア(肌や爪のお手入れや、低温熱傷予防)。
根本的には糖尿病のコントロールがとても大切になってきます。

医師と連携して、
運動指導や生活習慣の改善はよく言われていることかと思います。
詳しいことはググってみればいくらでもでてくるのでここでは割愛しますね。

4.澤田のオススメアプローチ

私は上記以外のアプローチとして2つことを大切にしています。
①末梢の血管の柔軟性を保つこと
②全身の血流状態を改善すること

4-1.末梢血管の柔軟性を保つ

血管の変性をみてみると大きく二種類あります。
・内膜の変性
=プラーク沈着によるアテローム動脈硬化
・中膜の変性
=カルシウムなどの沈着による中膜硬化

内膜の変性への介入は正直良くわかりませんが、
中膜に関しては平滑筋や弾性線維からなる構造なので、
筋肉や筋膜と同様徒手的に介入の余地があると思います。

実際に直接血管のストレッチをすると、
その場で視力が回復したり、
捻挫直後の痛みが改善したり、
素敵な反応が得られることがあります。

血管内の平滑筋もスパズム(攣縮)を起こしますから、
徒手的にストレッチをしてⅠb抑制をかけることで血流がよくなるんでしょうね。

糖尿病の方の足部もかなり血管が硬くなっている事が多いので、
介入効果はあると思います。

実際そのような治療も行われていますね
下のリンクは国立循環器病研究センター様のサイト
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/006780/

ポイントは、
前脛骨動脈だけでなく、
弓状動脈から背側指動脈にかけての柔軟性を改善させることが大切だと考えています。
末梢からダメージを受けるから大きい血管だけでは効果が不十分な印象です。

やり方は、
血管の遠位と近位をもって優しく引っ張るだけです。
解剖学の本を見つつ拍動を感じながらやると良いかもです。

4-2.全身の血流状態を改善する

4−1.では局所の改善方法について書きました。
ここでは全身の血流アップに何ができるか?を考えてみます。
といっても他にとてもわかり易く書かれているサイトがあるので
そちらをご紹介。

腎臓のはたらきが悪くなると余分な塩分と水分の排泄が十分にできず、血液量が増加し、血圧が上がります。さらに、血圧が上がれば腎臓への負担が増え、ますます腎臓の機能が低下するといった悪循環が生じやすくなります。したがって、腎臓のはたらきを守るためにも血圧をコントロールすることはとても大切です。

協和キリン様より引用 m(_ _)m

腎臓は内蔵の中でも比較的後方にあり、
円背姿勢などの不良に伴っても機能低下を起こしたりします。
膝痛(外側部)の原因としてもよく挙げられる構造でもありますね。

なので腎臓に対しての施術やストレッチなども大切になってきます。


実際に糖尿病の患者さんで、
紫色の足趾をして触れるだけでも痛いという方に対して、
評価をすると足趾の血管と、腎臓に問題があり、
徒手的に介入することで痛みも色調も改善する事例がありました。

「腎臓は身体の奥にあるから徒手は無理じゃん?」
と思わずに、ぜひ触れてみてください。
悪い方の腎臓はかなりの「重たさ」という形で教えてくれますから。

今回は糖尿病の壊疽についてのアプローチについてまとめてみました。
ご覧いただきありがとうございました!

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