長風呂すると痺れるんですけど?

とあるセラピストに相談されて介入した患者さん。

50歳代くらいの男性。
外傷による足根骨の骨折で、
受傷後半年以上経過しているのに
●足部の脱力感・痺れ
●荷重時の違和感
●足関節と足趾伸展筋群の麻痺
上記症状が変わらず松葉杖歩行を強いられている。
一本杖で歩いてもらうと、デュシェンヌ様の代償が強く出てしまいまともに荷重できておらず、仕事復帰が出来なくて困っているという状態。

1時間担当させてもらった中で、
一応施術して痺れは取り除き、
自主トレーニングも指導し、歩行時のデュシェンヌ歩行もそこそこ改善しました。
メンタル面は問題ない方でしたので、
しっかり自主トレやって欲しいですね。(1万回やるよういいました😁)


悪い部分を施術でしっかり取り除き、
必要なトレーニングを提供する。
この両方ができることはとても大切です。
もっと短時間で効率的な方法を探求していかないと\(^o^)/

さて本題です。
リハ中の会話の中で
患者さん:「温めると痺れが楽ですね」
澤田:「血が通いますからね」
患者さん:「でも長時間お風呂に入ると逆に痺れが強くなるんですよ」
澤田:「今は長風呂はオススメしないです」
患者さんと他のセラピスト:「???」
理由を説明すると納得して頂けました。
この記事ではその根拠・考察についてご紹介していきます。

血液量について

私たちのからだを流れている「血液」は、体重の約8%を占めています。 通常、日本人成人の血液量は、性別の違いなどによる個人差はあるものの、平均的には体重1kgにつき約80mLあると言われています(体重60kgの人の場合ですと、5L弱の血液が流れている計算になります)。 

一般社団法人 日本血液製剤協会様より引用 http://www.ketsukyo.or.jp/blood/blo_01.html

この患者さんの体重も60kg位ありそうだったので、5リットルの血液が循環している状態ということですね。
家計でイメージすると●万円で生活(身体)やりくりしていく必要があるということです。

痺れについて 

では痺れとはどのようなモノでしょうか?痺れを感じる受容器はないですし。

血流低下が低酸素によるTRPA1の過敏化を起こし、続いて血流再開で発生する活性酸素がTRPA1を強く活性化して痛み情報が脳に伝わる

京都大学HP「しびれ」による痛みのメカニズムを解明 -糖尿病や血流障害によるしびれ治療薬の開発に期待-より引用
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2016-03-18-1

つまり、血流低下が起きてしまうと痺れがでるよって話ですね。
血流障害により生じる痛み(筋筋膜性疼痛症候群)とも付随して起きる可能性があるということです。
家計予算の●万円をすべて衣服に使ってしまうと、食べていけませんという感じのイメージですかね。

痺れのプロセス

出血や貧血状態でなければ血液量はある。
でも、
何らかの理由で血流が下がる

血流を良くするために炎症物質を放出

強制的に血管が拡張し血流ドバーッ

痛みや痺れが出現

まぁ、常時感じる痛みや痺れはこれだけでは説明が不十分ですが、今回のテーマはそれではないので次に。

温熱療法の効果

ホットパック等で局所を温める行為は
血流を良くする事は常識ですね。
(症状への効果のあるなしはさておき)

では全身を温める長時間の入浴はどんな効果があるのでしょうか?
パッとググってもピンとくる記事が無かったので想像していきます。

先程述べたように全身の血流量は上限が決まっています。
お金ならば借りれます?が、
血液は瞬間的にポンッと増やすわけには行きません。

全身を温めてしまうと貴重な限られた資源(血流)は普段以上に末端まで巡るようになります。
身体に問題ない人はそれでいいのですが、
この患者さんは足部に血流障害を抱えています。
人も血液も易きに流れるものです。

全身を温める

早々に足部の血流は相対的に減少。

それでもお風呂に入り続けた結果、
身体がむりやり血流を改善させる。

痺れの増強

というプロセスかと今は考えています。

自律神経を鍛える為に、
構わず続けるという選択肢もあるでしょう( ̄ー ̄)ニヤリ
でも、費用対効果が悪いと感じます。

それよりも適当な時間でお風呂から出て、
自主トレーニングに励んだほうがよほど効率的かと。


足部の状況がよくなれば、
無理やりバランスを取る必要もなくなりますから、
やがて長時間のお風呂も楽しめるようになるでしょう。
てな感じで説明した次第です。


如何でしょうか?
至らない点もあるかと思いますので、ご指摘いただけると嬉しいです。

お読み頂きありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。