痛みはないが違和感が残る変形性膝関節症の方

関節痛は良くなったものの、

「痛みはよくなったんだけど・・・」

と言われたことはありませんか?
可動域や筋力に大きな異常を感じないのに、
よくわからない違和感を訴えられる方。
そんな症例をシェアしたいと思います。

1−1.痛みの状況

変形性膝関節症と診断され長年経つ女性
・「明け方になると膝の痛みで起きる」
・「歩いていると膝の内側が痛む」
という症状がありました。

典型的なO脚で、
膝関節は軽度屈曲拘縮と下腿外旋偏位。
立位では大腿部の外側の筋群が頑張ってしまい力学的負担が沢山かかっている様子。

経過が長いことから、
長く炎症が続いたせいで、大腿動脈・膝窩動脈周囲の組織は硬くなっている様子。
(炎症→線維化→瘢痕化というプロセス)

さらに、
組織が硬い為に血液が流れにくいので、
動かない夜はさらに血流が悪くなり、
明け方になると痛みがでてしまうという状態。

1−2.痛みへの対処

基本的な対処は
・硬くなった組織を柔らかくする
・使えていない筋肉を鍛える
上記の介入をすることで痛みは改善。
快適な買い物を楽しめているそうでなによりです。

2−1.違和感の正体

痛みは良くなったが浮かない表情。
「痛みはいいんだけどねぇ・・・」と。

どんな感覚なのか聞いていくと
「重たくて動かしにくい感じ」とのこと。

ROMやMMTなどの理学的所見に大きな左右差はないのに、このようなボンヤリと違和感を訴える方は割といらっしゃると思います。

・もっと筋肉をつけていけばいい?
・組織の柔軟性が足りていない?
・身体の使い方が悪い?
・歩き方が悪い?

2−2.違和感への再評価

【重さ】の原因を再評価をしていくと、
①膝関節周囲の骨膜の硬さ
②下行結腸のスパズム
③第3・4腰椎の椎間関節の硬さ
④大脳辺縁系のエラー
⑤大脳皮質系のエラー
これらの異常が上がってきました。

①膝関節周囲の骨膜の硬さ
繰り返されてきた力学的負荷で、骨・骨膜が炎症を起こし固くなっている状態。
変形性膝関節症の人は微小骨折を起こしているとも言いますからね。

実際に膝が痛い人で関節自体が大きくなっている人は骨・骨膜が変性した状態です。
【介入方法】骨も徒手である程度までは柔らかくできますから施術で介入。

②下行結腸のスパズム
下行結腸を支配しているのは仙骨から出る神経になりますね。
また下行結腸は左大腿神経の近くを通るので、そちらにも悪影響を与えていたかもしれません。
【介入方法】内臓も筋組織を含んでいるので筋肉などと同様に施術で介入。

③第3・4腰椎の椎間関節の硬さ
大腿神経はL1~L4からでるので、神経の機能低下が「重さ」を引き起こしていたのかも。
【介入方法】椎間関節モビライゼーション。

④大脳辺縁系と⑤大脳皮質系のエラー
①~③の介入をしても、【重さ】は完全には改善しきれませんでした。
超ざっくりいうと辺縁系は情動、皮質は思考に関係する場所です。
長年辛い症状を大脳が記憶してしまっている様子でした。
【介入方法】脳の緊張を和らげるように頭部に対し施術で介入。

 

施術後は
「良い方の足の方が違和感くらい♫」
と喜んでくれました。

①~⑤の要因が重なり合って
【重たさ】という違和感が生じていたのだと推測します。

【痛みの原因】と、
【重さの原因】とは違うんですね。
身体構造から解剖学・運動学的に評価をすることは当然大切ですが、
それだけでは説明できないことが臨床のリアルだと思います。

相手の問題がなんなのか?を広い視点で評価できるようになることが一番大切だと改めて感じる今日このごろです。

同じような疑問を持っているセラピストの参考になれば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。