精神面へのアプローチとして
カウンセリングやコーチングというものがあると思います。
その系統のセミナーや書籍はいくつかあたったことがありますが、
とても興味深い分野で少しずつ学んでおります。
私は理学療法士なので
基本的に身体面のスペシャリストですが、
そんな私が担当した患者さんで、
「向精神薬を飲まなくなったよ」
「精神科の先生が驚いてたよ」
といってくれる人はこれまでにもいらっしゃいました。
卵が先か?鶏が先か?
という問答があるように、
治療において
身体と精神どちらが重要なのか?
というのも議題にされることが多いと思います。
理論的には精神面と言われる事が多いのでしょうが
私個人の答えは
「あくまで相手次第」という考えです。
人は症状が同じだとしても
其々抱えている状況が違うので
治療における優先順位はその人に依存するものだと思います。
だからこそ
私はプロのセラピストとしては
精神面も肉体面でも相手の力になれる存在であることがとても大切だと考えています。
今回は身体面への介入が精神面にも効果があった体験をシェアしたいと思います。
1.常に不安を訴える90歳近くの女性
腰部脊柱管狭窄症により右下肢に痛みがあるという方。
介入によって痛みはなくなったのに、不安がとまらない様子。
昔はシャカリキに動き回っていたのに
今は痛みがでるような情けない人間になってしまったと基本ネガティブ。
前後の発言が矛盾する前向きな発言をされたりと、気分が安定せず浮き沈みが激しい方でした。(ちなみに長谷川は満点)
腰部脊柱管狭窄症の症状が良くなったからと促して地域の健康教室にいっても、他の人とコロナの話題を話したようで、もっと不穏になって戻ってくるという状況。
環境を変えても、ネガティブなものに過剰に反応する状態で難渋してました。
2. 精神面へのアプローチ
精神面からのアプローチとしては、
傾聴に徹するや、
気付きに至るような会話をするなどがあるかと思いますが、
未熟な私のせいもありますが、一向に変わる気配がありませんでした。
3.身体面へのアプローチ
精神面への直接的なアプローチを一旦ストップし、
症状とは関係のない身体面の問題を徹底的に取り除こうとした結果、
発言が大きく代わり、自分から新たな環境に飛び込もうとされるようになりました。
なにかしらの身体面の異常があると、
意識には登らなくても
無意識は敏感にその状況を察知すると言われています。
身体面の異常から闘争闘争反応が生じると
IQが下がり現実に対して客観的に向き合う能力は下がると言われています。
実際自分も緊張した場面で、まともに頭が働かない場面を何度も経験しています。
「今の自分なら映画でパニックを起こして逃げ惑って死ぬ人だなぁ」と思いながら現実逃避するときもありました(笑)
その闘争闘争反応という非常ベルを収める方法がこの症例さんの場合たまたま
徹底的に身体の症状を取り除くというアプローチが有効だったのでしょう。(この方の場合は左の第9脳神経と辺縁系のエラーがありました)
4.まとめ
「身体面のほうが重要なんだ!」
「精神面の方が重要なんだ!」
とか、
「私は身体面からみるんだ!」
「私は精神面から見るんだ!」
ではなく、
相手の望んでいるものを察知して
提供できるセラピストでありたいと思わされた症例さんでした。
ご覧頂きありがとうございました!
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