頭部打撲後のめまいの80代後半のケース

めまい症状を訴える患者さんは結構いらっしゃると思います。
その際「どうしたらいいのか分からない💦」というセラピストの方にお役になれればと思い書いてみました。

1.症例紹介

80代後半の女性。
転倒し大腿骨頸部骨折を受傷され某回復期病院に入院。

入院中は下肢の痛みのためほとんど歩行訓練ができず、
ほぼベッドでの生活で認知機能も低下。
そのまま自宅退院し、自宅では転倒を繰り返す・・・。
(何のための回復期・・・?)

 

転倒する原因を聞くと、
下肢の痛みと筋力低下で踏ん張れないのと、
注意力が散漫になるのと、
目眩もあるとのこと。

転倒した中には頭部を強く打ち付けたことも何度もある
とのことでした。
某大学病院で耳石の調整をしてもらっても
目眩が治らない状態で困っている。
という方です。

 

痛みは1・2回の介入で改善。
認知面についても、
施術と認知課題の提供にて改善。
さぁこれでドンドン活動量上げていくぞ!となってところ・・・

目眩については苦戦(´・ω・`)
介入にて一時的に改善はするものの、
時間の経過とともに再び症状が戻ってしまうという感じでした。

 

2.目眩の定義

良性発作性頭位めまい症は、めまいを引き起こす代表的な耳の病気です。病名に”頭位”とついていますが、めまいを起こす頭の位置を「めまい頭位」といいます。じっとしているときはめまいが起こらないのですが、頭を動かして、決まった頭の位置でめまいが起こるのが特徴です。ただし、めまいが起こる頭の位置は、人によって異なります。寝返りをしたときや朝起きたとき、目薬を差そうと上を向いたときや料理をしようとして下を向いたときなどに起こることがあります。

症状は、目が回るような回転性の激しいめまいが多く、平衡感覚が失われてよろめくような感じの場合もあります。そのため、回転性のめまいでは吐き気やおう吐を伴うこともあります。ただし、メニエール病のように、耳鳴りや難聴などの症状は起こりません。めまいは長く続くことはなく、数秒から2〜3分程度で治まりますが、めまい発作を何度も繰り返すのが特徴です。 参照元 https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_619.html

今回のケースでの診断名は「良性発作性頭位めまい症」でした。
耳鳴りや難聴はなく、動作時のみのめまいなのでメニエール病ではなさそうですね。

 

3.よくある目眩のアプローチ

よくある目眩へのアプローチとしては、
 ・薬の調整
 ・外眼筋と後頭下筋群へのアプローチ

ってのが多いかとは思います。
痛み止めの副作用として目眩を呈する人は
時々いらっしゃるので
代謝を上げる徒手のアプローチも大切ですが、
薬情をもらって内服状況を把握することも大切です。

身体構造として目眩のアプローチで
僕が見かける事が多いのは
首と目へのアプローチがよく見かけるものですね。
実際にこのアプローチで目眩が改善した人も何人もいました。

評価のやり方は、
 ・追視してもらうと眼振が出る
  (眼球がブルブルッとブレる)
 ・視点を固定すると首を自由に動かせなくなる
  (目と首の協調性の低下)
等があるかと思います。

アプローチとして昔良くやっていたのは
 後頭下筋群を緩めること
 目と首の協調性を上げること
この2点を反復することでした。

昔、橋梗塞で目眩のために座ってられなかった人でも
このアプローチで立位保持まで可能になった経験もあります。
(メチャクチャ時間かかってましたが・・・(-_-;) )

でも今回の症例はこれでは治らなかったのです。
さて、どうするか・・・

 

4.症例への考察

 某大学病院の教授からは、
 耳石の調整(体位変換するやつ)をしてもらって、
 「これで治らないなら、ちょっとわからんなぁ」
 と言われたそうです。

 医師の診察上では明らかな問題点が出てこない。
 つまり構造上の問題ではなく、機能的な問題がメインということ。
 とすれば僕らセラピストの領域の問題が大きそうですね。
 

 でも、自分の後頭下筋群と目のアプローチでは限界がある。
 ではどうしよう?

 まず、後頭下筋群や目の機能障害は結果であると考えました。
 なんらかの原因によってこれらの機能が十全に働けなくなっている。

 原因があるから、
 後頭下筋群や目にアプローチしても戻ってしまう。
 原因があるから、
 耳石の位置が修正されても再び動いてしまう。

 では原因はなんだろう?

 評価をしていくと、
 後頭骨、
 後頭骨の頭頂骨の関節(ラムダ縫合)
 頭頂骨
 さらに側頭葉に強いストレスがありました。


 

 おそらくは転倒によって受けたダメージだと思います。
 このダメージが原因なのではないかと仮定しました。


 転倒せず不動に伴って生じた廃用症状であれば
 後頭下筋群や目のアプローチでも効果が出たんじゃないかと。
 

 さらに、
 本人も目眩がするときは頭も痛いと言っていました。

 目眩がするときに痛みがある
 ということは
 血流障害も合わせて起きているという事が推察されます。
 (筋筋膜性疼痛症候群ってやつですね)
 
 循環障害により、リンパ液の循環も低下し、
 耳石周囲の内圧も上がり、耳石も動いているのかも?

 つまり、
 今回のケースでは
 転倒による頭蓋骨へのダメージが原因となり、
 血流障害が生じ、三半規管の耳石に変な圧がかかり、
 目眩が生じている。

 実際に頸部の動静脈をチェックすると
 左側はかなり攣縮を起こしている状態でした。
 
 これだけしか裏付けはありませんが、
 これを仮設としてアプローチすることにしました。

 

5.実際のアプローチ

 実際に行ったのは↓の赤い部分をリリースすることでした。

その他には、
頸部の動静脈の攣縮を取るために左頸部のみ
自分でマッサージするように伝えました。

 

現在はめまいはなく
お元気で喫茶店に歩いて行かれています\(^o^)/

 

 

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医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。