足腰に力が入らない女性の小脳機能

「力が入らない…」
「なんかふらつく…」
というお悩みをもつ患者さんは多いと思います。
施術や筋トレ・バランス訓練以外にやれることは?

と考えているセラピストの方に参考になればと
記事を書きました。

80代女性。
1週間前ベッドに腰掛けようとした際、
布団の上で滑り尻もちをついたとのこと。

尻もちといっても、
布団が滑ってしまいユルーッと落ちたとのことで衝撃はほとんどなかったそうです。

幸い痛みはありませんが、

それ以降足腰に力が入らなくなっちゃった…

踏ん張れない為
以前は何もなしで歩けていた所を
手すりが必要になってしまったとのこと。

叩打痛などの圧迫骨折所見はなかった為、
圧迫骨折の心配はしなくて良さそう。

なので
今回は足腰に力が入り安定して歩けるようになる為に介入しました。

1.力が入らない原因は?

評価すると
姿勢は全体的に円背・屈曲姿勢であり、
筋緊張は背部から下肢にかけて亢進を認めます。

単純に筋緊張が高いから力が入らない
(筋肉が短縮位だと力が効率的に収縮できない)
という解釈はありな気がします。

でも、下記のような疑問が残ります。
どうして筋緊張亢進状態が続いているのか?

(尻もちをついたことによる力学的衝撃自体は強くはない。
ならば1週間歩いているうちに、
力がはいるようになってきてもいいんじゃない?)


脱力感が1週間たっても改善しない
ならばただ「筋肉が硬いだけ」以外の
原因が隠れているような気がします。

2.脳機能の評価

筋肉や関節などの物理的な構造が
硬くなり踏ん張れなくなっている。
運動(歩行)を反復しても元に戻らない。

なので問題は
身体構造自体がメインではなく、
脳の機能に問題があるのではないかと考えました。

実際に、
小脳の機能を検査してみると左足が優位に低下している状態でした。

左足は全然上手く動かせない…

検査は単純に小刻みに速い反復運動ができるかどうかです。
今回は寝たまま足部を内・外を繰り返してもらっただけです。


小脳の機能は
運動制御や感情・記憶・注意力などにも関わると言われていますね。

臨床においても
小脳機能の低下所見のある方は
全身の緊張を亢進させていて、バランスなどに不安を抱えている人はとても多いです。
小脳機能を改善すると
筋緊張状態が改善し喜んでくれる人が結構いらっしゃいます。

3.今回のアプローチ

今回のケースでは
脳の機能へのアプローチが必要でした。

今回は小脳機能の問題を起こしている部位として
左足腓骨遠位端に重さがあったため、
そちらに介入した後に小脳検査をすると

さっきより左足が動きやすい!

との発言が\(^o^)/

円背・屈曲姿勢も改善してきたので、
あとは自主トレーニングとして
この小脳検査を反復してもらうことを指導しました。

1週間後調子を聞くと、

先生にやってもらってから足腰がしっかりしたよ

と喜んでもらえました。

おそらく尻もちをついたことで、
身体構造面へのダメージは少なかったものの、
脳機能が上手く発揮できない状態になっていたんでしょうね。

まだ滑って尻もちをついてしまうということは、
生活面で不安定な場面が他にもあるということです。
よりこの方らしい生活ができるようアシストできればと考えています。

今回のように身体構造の異常だけでなく、
脳機能も関係するということを頭に入れておくのも大切なのではないでしょうか。

ご覧頂きありがとうございました!

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医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。