歩いている時に、足に力が入らず怖い
と言われる80代女性。
大腿四頭筋のMMTを診てみると、
左右とも十分に4はある。
でも片足立ちをしてもらうと、
両足ともフラフラで上肢の支持なしでは数秒も保持出来ない状態でした。
特に左下肢では
体幹もデュシェンヌ様に崩れまくり。
左右ともに3回位繰り返してもらうも
上手くなりそうな感じもなし。
さて、
あなたならどうアプローチされますか?
1.検査所見
検査をしてみると、
小脳機能の低下を左右ともに認めました。
特に左側が著明。
さらに、
舌下神経の機能低下もあり。
構造としては左足部の
関節可動域制限もあり。
ベッドで寝たまま
片足立ちをイメージしてもらうと、
フラフラするイメージになっちゃう
とのこと。
2.考察
小脳の機能低下は
フィードフォワード制御や協調運動を低下させる。
舌下神経の機能低下は
舌の運動が低下し、
頭部の運動の制御も低下させてしまう。
足部の可動性低下は
固有受容器の情報量の低下や、
足内在筋の出力低下を引き起こす。
という3つの問題点によって
歩行の不安定感やふらつきを出している
ものを思われました。
3.アプローチ
上記機能を
左側頭骨と左腓骨を介してリリース。
再度検査をすると
3つとも機能は改善が得られました。
ついでにもう一度
片足立ちのイメージしてもらうと、
今後はちゃんと立てる!
とのこと。
実際に片足立ちをやってみると、
少しふらつきはあるものの、
体幹はまっすぐ保てるようになっている♫
主訴である歩行時の不安定感も
足に力が入らず怖い感じもないわ
とのことでした。
脳自体や脳神経、固有受容器(関節)が
動かなくなると、
イメージも変化するんですね\(◎o◎)/
4.まとめ
反復訓練をして出来るようになるならば、
ただそれを繰り返せばいい。
でも反復訓練してもなかなか出来るようにならないのは、
脳や神経、身体機能の低下があるからなんでしょうね。
理学療法士としては
適切な反復訓練を指導する能力も必要。
できる素地を作る能力も必要です。
今回の患者さんも、
素地を作っただけなので、
反復訓練が足りていないんでしょうね。
自主トレーニングとして
片足立ちを提案しておきました。
次回のセッションが楽しみです♫
どんな人にも力になれるように鍛錬を続けていきたいと思います\(^o^)/
コメントを残す