力まない姿勢の作り方 〜現象の背景にあるもの〜

立位となると下肢を緊張する方、
時には全身まで緊張される方いませんか?

その現象の背景(原因)が一人一人違った3ケースをシェアしたいと思います。
筋トレしても姿勢や痛みが変わらないと悩んでいる方の参考になれば幸いです。

ケース① 片麻痺の方のケース

麻痺側大腿四頭筋が収縮しにくい方。
クワドセッティングをしてもらうと
大腿四頭筋よりもハムストや反対側の下肢を緊張させ代償する状態。

立位・歩行となると
反張膝、足部は内反・claw toeにてバランスを取られている。

そこで、
大腿四頭筋に収縮が入りづらくなっている原因を解消しました。 
(介入前は非麻痺側を10とすると麻痺側は3くらいといっていたのが、
介入後は8くらい力が入るという状態まで)

その後立位をとってもらうと

安定してる!
左足(麻痺側)に安心感が出た!

といってもらえ、
立位・歩行時の反張膝・内反・claw toeは
その場でかなりコントロールできるようになってきました。

このケースの場合は
使えなかった筋肉が使えるようになることで
ブレーキ筋である大腿四頭筋の収縮が入るようになったことで、
重心移動を大腿四頭筋でも支持できるようになった結果、参照点(リファレンスポイント)ができたので、余計な緊張が緩和したと思ってます。

ケース② 腰部脊柱管狭窄症の方のケース

 円背姿勢が著明で、長年の腰部から大腿部の疼痛と足部の痺れに悩まされている方。
 立位をとると全身を緊張させ、両上肢を大腿部につけて立位を保持する方。

 
 アプローチにて疼痛と痺れは改善。
 でも立位姿勢は依然

どうしても手で支えたくなっちゃう

とのこと。

検査をしていくと前庭系の機能低下がありました。
そのその改善の為に、座位にて頭部を前後に動かしてもらうと、
その後の立位は

自然と手が離せる♫

 とのこと。

 このケースの場合は、
 痛み・痺れのために緊張していたというよりは、
 前庭系の機能低下によりバランスを保つのが厳しい状況にあったために、
 全身を緊張させることで代償していたのでしょう。

ケース③ 大腿骨頸部骨折術後の方のケース

 左大腿骨頸部骨折術後(THA)の方で術後1年以上経過しているが、どうしても患部に痛みが出てしまうという方。

 立位も下肢を緊張亢進させた状態で、このまま動けば痛みがでるのもしょうがないくらいの高緊張状態でした。

 検査をすると左肺に変性があり、胸郭の可動性も低下していました。

 その部分を解消し立位をとってもらうと
両大腿部の緊張は軽減。

 さらに脊柱の動きを促してから、再度立位をとってもらうと、より大腿部の緊張は緩和。

 このケースの場合は、患部の問題はそれほどない状態でした。
 それよりも、胸郭の動きが低下していたため、脊柱の機能が低下してしまい、
その結果上半身の重さまでも大腿部で支えてしまっていたという状況です。

まとめ

現象としては筋肉を緊張させて抗重力位をとるという同じものですが、その背景は3ケースとも違ったものでした。

現象や症状を直接修正するよりも、
相手の状況に合わせてアプローチできるようになると短時間で確実に結果に繋がります。

「理想の姿勢はこれ!
だからこれになるように練習しよう」
でできる人はそれでいいかもですが、
特に理学療法士が対象とする患者さんはできない方が多いです。

現象の背景にある原因を見つけることの大切さがお伝えできれば何よりです。

ご覧いただきありがとうございました!

 

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