小学生のぎっくり腰

ギックリ腰で来院の小学生
診断名は急性腰痛症。

立ち上がる際に痛みが出たとのこと。
疼痛は安静時からあり、動くとより増強。
部位は腰部に留まらず、
四肢に優しく触れるだけでも、その部位に痛みがでるような状況。

私が会った時には発症からもう2週間経過しているのに、
安楽姿勢がない。
体を真っ直ぐにできず寝てるのも辛いという💦
特に起居動作はかなり辛いとのことでした。

当然治療ベッドに横になってもらうのを提案できるような様子ではありません。
あなたはこのような場合どのように対応されますか?

1.状況整理

 状況①:検査の結果骨折ではないということ。
 状況②:腰部以外にも症状がでているということ。
 状況③:2週間ということからぎっくり腰だけの問題ではないこと。
 状況④:アロディニアのような状態にあること。

状況①骨折ではないということ
 疲労骨折がある場合は疼痛が続くのに何の疑問はありません。
 でも今回はレントゲンの結果骨折は否定されています。

状況②腰部以外にも症状があるということ
 腰部に限局した症状ではなく、四肢にも及んでいる。
 でも四肢を受傷したキッカケはなく、
 医師の検査・診断も特に異常所見はなし。
 どうやら運動学的な面で診るよりも、
 神経学的な観点から診るほうが説明しやすそうです。

昔はこの鑑別をせず、運動学的な視点のみで分析しようとして袋小路になんどハマったことか💦

状況③発症から2周間経過しても疼痛があまり変わらない
 炎症は2〜3週間は続くものですが、徐々に改善していくのが普通です。
 ギックリ腰の痛みのピークは1・2日間ということを聞いたことがあります。
 なのでただ筋肉を痛めたということではなく
 他の原因がどこかに存在し続けているということ

状況④アロディニアのような状態にある
 アロディニアとは「通常痛みが起こらないような刺激で生じる痛み」です。 
 侵害受容性疼痛であれば限局した症状(体性痛)か、絞られるような不明瞭な痛み(内臓痛)であるはずです。
 神経障害性疼痛はこれ以外なので情報②からもこっちの方がしっくりきます。

以上より神経障害性疼痛の状態にあり、
患部への湿布や物理療法、服薬でもなかなか効果が上がらない状況であると考えました。

2.原因追求

ではなぜ神経に障害を負ったのでしょうか?
小学生がただの立ち上がり動作でそんなダメージを受けるハズありません。

問診で病前の状態を聞くとまあ出るわ出るわ💦

頭部を含めてかなり打撲のエピソードがあり
それ以外にもかなりの種々のストレスを抱えている様子でした。

検証のため理学的所見を取ると、
種々の脳神経の低下があり、
特に左外転神経は刺激をするだけで左目に痛みが出る状況でした。

3.アプローチ

端座位のままで、頭蓋底のリリースのみ施行。
自主トレーニングとして頭蓋底のマッサージ、視覚のトレーニングをお伝えしておきました。

次の週に来た時には痛みは初期を10とすると3にまで改善し、
寝ることもできているとのこと\(^o^)/

運動学的視点で姿勢・動作分析もとっても大切ですが、
今回のような主な問題が神経学的な領域にある場合は
運動器疾患に関わらず神経の状態をチェックすることをオススメします。

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臨床で苦しむセラピストに向けて、 壁を乗り越える為の5つの力を磨き、 【理論】を【現実の力】にするお手伝いをしています。