左膝症状の原因3つ

膝の症状といえば、痛み・不安定感・可動域制限がよくあるものかと思います。                   今回はその原因にはそれぞれ全く違いものが潜んでいる事をある症例を通してご紹介します。

1.左膝膝痛の症状

左膝に力が入らない。
不安定な感じがする。
正座すると膝の前が突っ張って痛い。

そのせいでフットサルの時に違和感や痛みがあって困るという男性。

左膝の症状はある時とない時があり、
なにがキッカケになっているのかわからないとのことでした。

2.大まかな評価

形態の変化を評価すると、下腿の外旋偏位がありました。
でもそれだけでは日差があるのは十分に説明ができないですね。

日によって変化があるということは、
膝関節の構造が原因の100%ではなく、
その他の要素の兼ね合いで調子が悪くなることがあると考えます。

片足立ちをして左右を比較すると、
左の内側広筋は脱力したままの状態でした。

筋肉は収縮しないと、
当然関節が適切な位置関係を保てないので、
関節に負担はかかりやすくなります。

同時に付随した周囲の神経も機能低下を起こすので、
易疲労性の原因になったり、
素早い反応する能力が落ちると言われています。

・関節の変形
・神経系の機能低下                      
・筋出力の低下

とこれだけの状況が起きてるので

なんか不安定な感じ・・・

というのも無理もない話なわけです。

3.左内側広筋が収縮しない原因

左内側広筋が収縮しない状態の原因を探すと、
反対側の右脛骨近位の骨膜に異常がありました。

本人に聞くと
過去自転車事故などをされているとのことでした。

その異常を治療すると、
内側広筋の収縮が入るようにはなったのですが、
不安定な感じはまだ残るとのことでした。

4.不安定感の原因

不安定化の原因をさらに探っていくと、
今後は同側の左第5趾節骨の硬さが原因でした。
その硬さを取ると不安定感は改善。

5.伸長痛の原因

左大腿前面の伸長痛に対しては
・左L2~L4の脊髄神経の硬さ
・頭蓋底の筋膜のアンバランス
が原因でした。

上記に介入することで
その場で伸長痛も改善。

同じ膝関節に関する悩みでも、
・筋収縮が入らない原因                         
・不安定感の原因                         
・伸長痛の原因                   
はそれぞれ全く違うものが原因となっていました。

6.まとめ

昔の私ならば、膝関節周囲の機能低下に対しては

・背骨の機能低下があるから背骨を使えるようにしよう
・股関節の支持性を高めることで膝の負担を減らそう

                                          
というアプローチを良くしていました。

これら自体は負荷を分散する上ではたしかに有用な「理論」であり、
ほかの症例さんでは良い結果が得られたこともあります。

でも実際の臨床ではこの様な「理論」からは
説明しずらい原因が潜んでいることがメチャクチャ多いです。

●改善したい症状をしっかりと定めること
●「理論」に振り回されず相手の状況をしっかりと見定めること

この2点を忘れないことが治療の是非を決める大切なことだと最近は考えております。

最後までご覧頂きありがとうございました!

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臨床で苦しむセラピストに向けて、 壁を乗り越える為の5つの力を磨き、 【理論】を【現実の力】にするお手伝いをしています。