~患者さんを「一人の人間」として理解する大切さ~
「家系図コーチング?それが理学療法と何の関係があるの?」
そう思われた方もいるかもしれません。
しかし、この経験は、私たちセラピストの患者理解を変えてくれる可能性があると感じています。
偶然の機会から見えた「つながり」
家系図コーチングを受けさせてもらう機会がありました。
私が直接依頼した訳ではないのですが、
とても有難いお誘いがあり、幸運ながら父方の祖父母の家系を江戸時代まで遡って教えてもらいました。
時代背景に加えて、誰が何年に何があったかをとても具体的に情報をもらえて、ご先祖様たちの想いなどを想像することができました。
なんとなくお墓参りで名前は知っていたり、断片的に祖父母から話を聞くことはあったのですが、情報量が桁違いに増えることで格段にリアリティが湧いてきました。
特に祖父は戦争中マラリアに罹患していたことを初めて知り、帰国してから結婚していたので私が存在していること自体がとても奇跡的なことだと感じましたね〜💦
「遺伝」の新しい視点
同時になんとなく感じていた自分自身の個性というか特徴は、かなり昔のご先祖様から受け継いでいると感じました(笑)
自分の特性についてはコンプレックスに感じている部分もありましたが、私個人の問題ではないと感じると少し気が楽になりますね。
身体面だけでない「遺伝」
身体構造の遺伝については、例えば外反母趾などは6〜8割くらいは遺伝の要素があると言われています。 (外反母趾になりやすい足の形や骨格、関節の柔らかさなどの体質が遺伝するという意味で)
しかし今回の経験で、個性・特性(物事の感じ方、関わり方)といった精神構造も少なからず遺伝的な要因があると実感できました。
「遺伝だから良い・悪い」ではなく、ご先祖様が生き抜くために獲得し、私に伝えてくれた特徴を武器として生きていきたいと感じました。
臨床への気づき ~患者さんも「歴史ある存在」~
そしてここからが、セラピストとしての大きな気づきでした。
人に歴史ありとは言いますが、接する患者さん一人一人にも同じようにご先祖様がおられ、生き残るために獲得し、受け継がれてきたものがあります。
診断名を超えた理解の重要性
例えば、膝の痛みを訴える70代の患者さん。
単に「変形性膝関節症」という診断名だけでなく、
- その方(家系)が歩んできた人生
- 家族との関係
- 地域性
- これまでの価値観や行動パターン
これらまで含めて原因となるものがあり、そうならざるを得なかった背景を察しようとすることが役に立つかもしれません。
評価と説明への応用
職歴や家族の病歴などの背景について尋ねる際は、身体面だけでなく価値観などの精神的側面も含めて評価することが重要です。
そうすると、説明の際にも患者さんの価値観や背景を踏まえた説明ができ、理解・納得が得られ、能動性をより引き出すことができるかもしれません。
パソコン関係の仕事に従事されていた方が患者さんであれば、その仕事を選んだ経緯、仕事に対するお話内容から得られるものはとても沢山あり、アプローチにも有用な情報があるかもしれません。伝える際にはロジカルな説明を、パソコンの機能を例えに用いながら説明・提案を行うといった工夫が効果的かもしれません。
患者中心のケアへ
これまでも「患者中心」を意識していたつもりでしたが、患者さんの背景や歴史を尊重しつつ、問題解決のお手伝いをするというスタンスをより深く意識する良い機会となりました。
私たちが目の前にする患者さんは、単なる「症例」ではなく、長い歴史と深いストーリーを持つ一人の人間
まとめ
機会があれば家系図コーチングを受けてみてはいかがでしょうか。
理学療法士として直接的に技術が向上するわけではありませんが、患者理解の深さが変わることで、結果として治療効果も変わってくるかもしれません。
皆さんの体験をお聞かせください
皆さんも、以下のような体験があればシェアいただけると幸いです:
- 患者さんの職歴や趣味を活かした説明で印象的だった体験
- 背景を知ることで治療方針が変わった事例
コメント欄でお待ちしています!
ご覧いただきありがとうございました!
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