運動器疾患の患者さんに対して
その場で痛みがない状態にしても、
次来た時にはまた痛みがある状態になってしまう。
このような経験をしているセラピストは多いのではないでしょうか?
その原因は
・アプローチしている筋骨格系の部位が違うのでしょうか?
・アプローチ方法が下手だからでしょうか?
・筋力が足りていないからでしょうか?
私としては筋骨格系以外に問題がある場合がかなり多いことを経験しています。
今回はバランス機能という観点から評価・アプローチをしてみました。
左膝の痛みがずっと続いているという女性
大腿部の緊張は亢進しており、
膝関節は伸展−10°という状況。
全身の緊張を緩めることでその場で歩行時痛は消失はするものの、
漠然とした不安感は消えず
なんか不安な感じがする・・・
とのこと。
言葉にはできないけどなんか違和感があると言われる場合は、
なんらかの問題が残っていることが多いです。
そこで
バランス機能の検査
片足立ちはそもそも無理な方だったので
ロンベルグテストをしてみたところ、
何度やっても6秒程度で後方にふらついてしまう状態でした。
ロンベルグテストは
閉眼で足を閉じてバランス能力を見るので、
下肢の可動性や筋力や感覚、身体のイメージなども関与してくるので
この結果だけではどこに問題があるかは特定はできません。
でも今回は
・一時的に良くなってもまた症状がでてきてしまう
・筋骨格系はアプローチした後でも不安感は拭えない
ということから運動器の問題をひとまず置いておいて
脳機能を評価してみました。
すると、
両側の小脳機能と左の三半規管に問題がありました。
そこで、
左の三半規管を刺激するために頸部の運動を数回してもらうと、
ロンベルグテストは30秒以上大きなふらつきもなく姿勢保持が可能でした。
三半規管は小脳との繋がりが深いとも言われているので、
バランスの巧緻性が上がったようですね。
筋骨格系の硬さを取るのに5分、
三半規管をトレーニングするに1分。
残りの14分は会話と評価といったセッションの内容でした。
一週間後の経過
一週間後に来てもらった時に、
まず最初にロンベルグテストをしてもらうと
余裕で30秒以上保持が可能でした。
痛みはゼロではありませんが、
緩和してきており、
本人の感覚としても
なんか今までよりも良くなった感じがする
治りそう♫
との感想も頂きました。
筋骨格系?神経系?
運動器疾患であろうと、
神経系の及ぼす影響はとても大きいものだと
改めて感じた経験でした。
運動器の問題を解消することで症状が良くなる方もいれば、
なかなか良くならない方もいらっしゃいます。
「自分の施術の質が悪いのだ・・・」
「もっと膝の構造を勉強しないと・・・」
と頑張ることも大切ですが、
視点を変えることのほうが手っ取り早いと感じます。
正直いうと、
治療のテクニックや繊細な感覚はそれほどなくてもなんとかなります。
症状の戻りで悩んでいる方が見えたら、
筋骨格系以外の問題がないか確認してみると意外な発見があるかもしれません。
是非チェックしてみてください。
臨床のお役に立てたならば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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痛みは脳の感覚と捉えると、全くその通りだと思います。
また、治療のテクニックや繊細な感覚はなくてもなんとかなります。というのもすごく合点がいきます。大した技術でもないのに講習で莫大な授業料を取っている人を見ると頭にきますね。
ただ、神経系の評価やアプローチは教えているところが少なく、見落としている部分だと強く思います。
ぜひその辺りも教えていただけるとありがたいですね!
また、ブログ楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
私もまだまだ勉強中ですが、検証してシェア出来ればと思ってます。今後ともよろしくお願い申し上げます!