関節可動域制限には
筋肉や靭帯・関節包などに対して行うことが多いと思います。
でも、
「なかなか良くならない💦」
と感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は膝関節屈曲制限に対して、
脈管系へのアプローチが有効な場合が多いので
その理由を考えてみました。
1.可動域制限の背景
軟部組織の問題を大雑把に分けると、
・高緊張状態
スパズム、硬結
・変性状態
線維化、瘢痕化、短縮、延長
私の定義は、
・スパズムは不随意に収縮が続くこと。
私は抜歯後しばらく口が3cmしか開けなくなった経験あり。
・硬結は筋線維の一部分が硬い状態。
「米粒みたいな触り心地がする所」と教えて貰いました。
・短縮・延長は筋節の数が増減した状態。
電車で例えると車両の長さは変わらず、車両の数が変わるイメージ。
筋肉は収縮してないので圧痛はない。
臨床ではこれらが混在しているので、
ただ「硬いなぁ」だけではなく、
・圧痛所見の有無
・硬い組織の大きさ
などを確認する必要がありますね。
組織が変性すると基本的にはすぐには戻らないので、
時間をかけて物理療法も含めての対処。
高緊張に対しては施術・運動が有効だと言われています。
参照:
関節可動域制限の発生メカニズムとその治療戦略
理学療法学 第 41 巻第 8 号 523 ~ 530 頁関(節20可14動年域)制
2.高緊張へのアプローチについて
緊張や変性で関節運動が障害されます。
膝関節にはスクリューホーム・ムーブメントがあります。
屈曲するには下腿内旋が、
伸展するには下腿外旋が必要です。
なので屈曲運動を邪魔する要素としては
伸展筋群以外に、
下腿の内外旋筋群も関わってきます。
理論は分かって入るんですが、
これらを直接介入してなかなか改善しないケースが個人的には多いと思っていました。
3.脈管系へのアプローチ
そこで、
筋肉を支配する神経について調べていくと
「末梢神経の50〜90%が結合組織。
この結合組織が栄養供給、外力からの保護、情報伝達を担っている。
神経組織がダメージを受けると神経の興奮性が低下する」
参照:末梢神経マニピュレーション 科学新聞社より適当に抜粋
勝手に解釈すると、
・神経を栄養する血管があるから脈管系も筋肉同様緊張したり変性したりするよ。
・そうなると、神経は機能低下するよ。
・運動神経は興奮性のものと抑制性の其々の働きが落ちるから一概に筋肉が緊張するか弛緩するかはわからんよ。
と解釈しました。
なので
神経がダメージを受けると、
感覚神経は関節の位置コントロールに必要な情報を伝えられなくなる。
運動神経は緊張や弛緩の入り混じったカオス状態になる。
結果として関節運動も障害される。
自動運動では変な抵抗や動きがでるのもこのあたりが原因なんでしょうかね?
詳しい方ご教授頂けると嬉しいです。
つまり、
筋肉だけアプローチしていても
神経含む脈管系に問題があると
可動域制限が改善しないことがありそうです。
4.脛骨神経周囲の影響
下腿内旋の内側ハムストと膝窩筋は、
脛骨神経支配で
内側ハムストがL5〜S2
膝窩筋がL5〜S1です。
大腿動脈〜膝窩動脈が緊張
↓
脛骨神経の感覚・運動神経の機能が低下
↓
ハムスト・膝窩筋などが機能低下
↓
スクリューホーム・ムーブメント低下
↓
膝関節屈曲可動域制限の発生
という感じでしょうか。
5.まとめ
緊張を改善する為には筋肉ばかりみるのではなく、
脈管系の走行に触れてみて硬さをチェックしてみると発見があるかもしれません。
神経や血管は全身繋がっているので、
私の経験では左の脛骨神経周囲の脈管系の緊張が
右手の痺れの原因になっている人もいました。
本当はさらに脈管系が緊張する原因が他にあったりもするので
一筋縄ではいかないのが実際の臨床というものですが💦
柔らかくしてもまた元に戻ってしまうという事は原因が別にあるはずです。
原因にしっかりアプローチできるようになりたいですね!
ご覧頂きありがとうございました!
コメントを残す