インソールセミナー2025年7月開催!

「気づきにくい足の問題」と全方位的アプローチ

あなたは自分の足に意識を向けたことがありますか?

多くの方が肩こりや腰痛には敏感でも、足の機能低下には驚くほど気づいていません。

今日は、理学療法士として20年の経験を持つ私が、インソールに対する考えの変化と、なぜ今それを重要視するようになったのかをお話しします。

過去の疑問から現在の確信へ

当時の私がインソールに消極的だった理由

臨床に出て1年目。足部はバランス、推進力、衝撃吸収の観点から見ても非常に重要な部位です。当時は足に関する本や文献を読み漁り、「足への介入だけで結果を出してやろう」と息巻いていました。

しかし、インソールを採用するには正直疑問を抱いており、採用しても最小限に留めていました。その理由は:

  • 過去のセミナーでの変化動画が微妙に感じた
  • 自分自身の体感がイマイチだった
  • 「靴を履かない時は意味がないじゃないか」という思い
  • 他にもっと重要な治療法があるという考えもあった

現在、積極的に採用するようになった理由

現在は、インソールを大事な治療要素の一つとして積極的に採用しています。

その理由は以下の通りです:

患者さんの現実を理解したから

  • 足部の機能低下は本人が気付きにくい
  • 自主トレーニングは基本的に継続困難という前提に立つと、インソールは「優しい治療法」
  • 痛みや症状を抱えながらの日常生活では、足への意識を向けることが困難

臨床での実用性

  • 簡単に作成できる即効性
  • 患者さんのニーズが高い
  • 適応となる方がとても多い
  • 子供から高齢者まで幅広く対応可能

実際の効果

  • 足の筋肉が使えるようになることで血行が改善(「夜でもポッカポカ」)
  • バランス機能の向上
  • 膝痛などの痛みの軽減効果
  • 爪や皮膚・アライメントの改善

私自身の足の問題

恥ずかしながら、足の筋肉が使えなくなっているという状態に、私自身が最近まで気づいていませんでした。

実際の体験談

私の足のサイズは22.5センチですが、見栄を張って27センチの靴を履いていました。それはもうガバガバで靴の中で足が暴れ放題な状態でした。

その結果起こっていたこと:

  • ミッドスタンス期以降、踵が靴からはみ出す
  • 脱げないよう足趾を過伸展で固定
     →安静時でも足趾が伸展位のまま
  • 半月板・前十字靭帯受傷歴のある左下肢の母趾外転筋はMMT1へ
  • 足部の運動を大腿部筋群で代償

専門家である私でさえ、こんな状態に気づくのがごく最近だったのです。

なぜ多くの人が足の問題に気づかないのか

患者さんに共通する特徴

臨床では、こちらが左右差を提示しても、機能低下していることに気づかれない方がとても多くいらっしゃいます。これは決して患者さんの問題ではありません。

気づきにくい理由:

  1. 痛みがない限り意識が向かない:肩こりや腰痛と違い、足の機能低下は痛みを伴わないことが多い
  2. 日常生活への影響が緩やか:徐々に進行するため、変化に気づきにくい
  3. 代償動作で対応できてしまう:他の筋肉で代償するため、一見問題ないように感じる
  4. 生活の優先順位:痛みや症状を抱えながらの日常では生活することで手一杯

私は左の母趾外転筋の機能回復に2〜3週間かかりましたが、それは仕事柄身体を扱うことが日常で、身体への興味・関心も高いからできたことだと思ってます。

一般の患者さんにとって、足に継続的に意識を向け続けることは現実的ではありません。

だからこそ、「意識しなくても効果的な介入」としてのインソールの価値があると感じています。

全方位戦略でのアプローチ

現在の私は、「インスタントに作成できるもの」というレベル感で他のアプローチとともに活用しています。

  • 手技療法
  • 運動療法
  • 靴やインソールの提案
  • 生活・栄養についての提案

この全方位戦略により、患者さん一人ひとりの状況に応じたサービスができればと考えています。

今日からできる足部についての質問

患者さんへの質問

  1. 歩くスピードが遅くなったと感じることはありますか?
  2. バランスが悪くなったと感じる時はありますか?
  3. 足が冷えると感じることはありますか
  4. つま先を引っ掛けてしまうことはありますか?

このような質問で「イエス」があるなら足部に問題点があるかも知れませんね。

まとめ:患者中心の治療を目指して

インソールは決して万能ではありません。(というか万能なアプローチはありません)

しかし、患者さんの生活の質を向上させる有効なツールの一つであることは確かです。

重要なのは、一つの治療法に固執するのではなく、患者さんの状況や希望に応じて最適な組み合わせを提供することです。

理学療法士として、私たちができることは技術の提供だけではありません。

患者さんが気づいていない問題を発見し、日常生活の中で実践可能な解決策を一緒に見つけていくことが、真の「患者中心の治療」だと考えています。

まずは上記の4つの質問を自分に問いかけてみてください
「自分の足は?」と思われた方。小さな気づきが、大きな変化の第一歩になるかもしれませんね。

セミナー情報

2025年7月6日開催のインソールセミナーでは、今回お話しした内容をより詳しく、実践的な形でお伝えします。

残り2枠となりました。

詳細はこちら

足の問題発見・改善するセミナーとして、一緒に学び成長できると幸いです。

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澤田哲也
澤田哲也
人の可能性を引き出すことができる人間になりたいと思っている理学療法士です。 専門的知識・技術ばかり磨くことに限界を感じ、日々研鑽を続ける毎日です。