三年間かけて左坐骨神経痛を作ろうとした結果

「姿勢が崩れ力学的負担により痛みがでる」

今回はこれを自分の身体で実証した内容です。
結論として姿勢の崩れのみでは十分な痛みは
作ることはできませんでした。

痛みの対応に困っている方の
参考になればと思います。

「姿勢の崩れにより痛みがでる」
改めてこれを見直すために自分で実験してみることにしました。

実際に
・どれくらいの期間がかかるのか?
・どれくらいの痛みが発生するのか?
・それに伴う変化はどんなものがあるのか?
を体験してみたくて左臀部に体重をかけ続ける生活をしてきました。

3年以上かけることで、
左殿部後面に一定の痛みを出すことに成功しました\(^o^)/

1.痛みの作り方と結果

ターゲットは左坐骨神経周囲。
方法は基本座っている時は左殿部に体重をかけるだけ。

それ以外は特にこれまで通り過ごすことにしました。
徐々に左下肢の可動域制限が進行し、
痛みを感じ始めるまでに2年ほどかかりました。

痛みは1次痛と2次の痛両方を体験できました。

ジンジンと疼くような痛み(2次痛)は
安静時にVASで1〜2程度であるかないかの程度。


動作時の鋭い痛み(1次痛)はインパクトがある痛み。
主に股関節の動きに伴ったもので、
・しゃがみこんだ姿勢からの立ち上がり
・歩行開始時の遊脚期(Toe off〜Mid swing)
に瞬間的な痛みがあります。
気にせず2歩、3歩と歩けばもう痛みはなし。
VASで言ったら3/10程度。

こんな感じでとりあえず目的は達成しました。
(必ず痛みが出る状態ではないのでとりあえず)


左殿部に体重をかけ続けるだけの程度の負担では
症状の発現までにはかなりの積み重ねが必要なんですね〜。

もともとの柔軟性も高い方であり、
精神的にも能動的に痛みを作っている状況だったので、
余計に時間がかかってしまったのかもしれません。


もっと年取ってからやってみると
疲労した状態でやってみると
症状発生までの期間を短縮できそうです。

2.身体面の変化

痛み以外に感じた身体面の変化は、
主に可動域制限です。

主に感じたのは股関節周囲・足部の硬さ・上部体幹への影響です。

股関節周囲はかなり固くなり、特に後方と内側の組織はガチガチです。
足部も回外位を取りやすく、踵骨の内側部はかなり内側に変位しています。

また、
立位姿勢をとると肩甲帯がプロトラクションしやすく、
猫背になりたがる感覚があります。
股関節後方の組織が短縮しているため
骨盤が後傾しやすく、それに伴って上部体幹も屈曲位になっているんでしょう。
それ以外にも細かい付随した制限を感じ全身に影響がでているのを感じました。

テンセグレティ構造を体感できました\(^o^)/

3.精神面の変化

3-1.痛みによる感情変化

痛みの原因がはっきりしていて、
その対処方法にも不安がまったくないのにも関わらず
さらに自分から望んだ結果なのにも関わらず
予想以上に不快感を感じている自分がいました。

特にジワジワ来る痛み(2次痛)が心をざわつかせる体感がありました。
医学的にも2次痛は大脳辺縁系に伝わると言われています。

二次痛は侵害刺激がポリモーダル受容体という未分化な受容体を介して,最終的に情動や感情を司る大脳辺縁系に伝わる.この二次痛を放置していると痛覚過敏状態を生じ,より情動的な痛み(不安を感じさせる,不快感を与える)として記憶される.

酒井医療HPより https://www.sakaimed.co.jp/knowledge/pain-meniscus-and-coping-method/pain3/

まさにこんな感じで、1次痛よりも2次痛の方が不快感を感じている自分がいました。

3-2.自主トレーニングへの抵抗感

また大きな驚きだったのが、
硬くなった部分を柔らかくしようとすると
なんとも言えない抵抗感がムクムクと湧き上がってくる感覚でした。

やれば良くなるのは分かっているんですが、
その部位を伸ばそうとするとするにはかなりの意志力を必要としました。

痛みなどを理由に自主トレーニングをしたがらない患者さんは、
・必要性を分かっていないとか、
・症状に向き合う意志力が弱いとか、
・受動的な態度が問題とか
色々言われますが、
体性感覚からの情報によって
動かしたくないと本能的に感じているのかもしれませんね。
これを体感したことで患者さんにもっと優しくなれそうです(笑)

3-3.姿勢修正への影響

身体構造が3年もの時間をかけたので
左に変位した姿勢に変化してしまっています。
(左股関節周囲はガチガチになりましたし)

わざわざ意識をしなくても、
気づいたら左によっている自分がいます。
(そのほうが都合がいい環境を作っているのもありますが)

都度
意識して修正することが必要になるので、
体性感覚の修正をするには、
環境設定を含めたセラピストの介入(他力)は大切だと感じました。

4.まとめ

痛みを作りだすことに成功したものの、
常に痛みがあるかといえばそうではありません。
むしろ痛みを感じ無い事の方がまだまだ多いです。
3年もかけたのに…(´・ω・`)

人の姿勢・動作というものは、
身体構造の変化だけでなく、
その人の思考・行動・習慣・価値観・環境などによって決定されます。
僕の場合はポジティブな要素が多いので、
なかなか安定した坐骨神経痛を作り出すことは難しい感じでした。

身体構造の修正を図りつつ、
相手の背景をみることを忘れないようにしたいですね。

如何でしたでしょうか?
何かしらご自身の身体や臨床で役立つものがあれば幸いです。

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アバター

医者にできない治療をするを目標に理学療法士を目指す。 2005年に資格取得以降、給料の大半を勉強に注ぎ込み続ける。 学びの中で、知識・技術よりも大切な思考に気づく。 その内容を臨床で結果を出せず悩むセラピストに向けて情報発信中。